デラホーヤ観戦記(2007年)

決戦の当日

いよいよ決戦の日!
前日の長時間フライトによる疲れもあり、起きると時計の針は昼前を指していた…13時間も寝てたことになるなぁ。
ガーデンアリーナの入口付近は特別なイベント独特のざわめきがあった。
その雰囲気とは対照的に場内に入るとシ~ンと静けさが漂うばかり…嵐の前の静けさのように。
前座が始まって間もない、この時間はまだガラガラ状態…ラスベガスはメインイベントにならないと客は集まらない。

淡々と進む前座に飽きはじめていると下段から登ってくるカップルが一際目についた。パッと見、外見は東洋人。どこか親しみを感じて声をかけてみた。
「Excuse me, are you Japanese ?」
いきなりの質問に戸惑いながらも「ハ、ハイ日本人です」
日本人と聞いていながらも続けて「Me too, me too ! Same !」と英単語を連発する始末…もう無意識のうちに舞い上がってたらしい。

ようやく冷静さを取り戻し、日本語で聞いてみると同じセクションの同じG列だった。後ろから5列目といったほうが分かりやすいかな…しかし恐るべき低い確率の偶然。12番に座っていた自分から離れて新婚さん夫婦は15,16番。日本語に飢えていたので間の客が現れるまで一緒に見る了承を得て隣の14番に移った。

彼らも揃ってデラホーヤ党と聞いて嬉しく思った!加えて意見の一致があったのはチケットの高額さ。
調子に乗って彼らの値段を聞いたのが大失敗…ちょっとショックだった、瞬きが一瞬止まるほどに。

セミファイナルの頃になるとさすがに席も埋まってきた。やがてビール片手に、それまでにアルコールも入ってできあがってる、ご機嫌の3人連れがやって来て何やらブツブツ…「俺は14番、俺は13番、俺は12番だな」その会話が耳に入ってドキッ。恐る恐る「僕も12番なんだけど…」と伝えると彼らも困惑顔…「何ぬかしやがる、俺のも12番なんだよ!お前のチケット見せてみろよ!」と迫られ、ある疑惑が能力に浮かんできた。(も、もしかして偽造チケット…か?)自分の正当性を証明するためチケットを差し出すと「お前のは12番じゃなく22番じゃねぇかよっ!」えっ?と目が点。よーくチケットを見ると確かに22番だった…またしても大失態。「Oh, I'm sorry, I'm sorry …」で事なきを得たが…彼らは酔ってなかったんだな。